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べんぴが治ったキレイになった

漢方薬の選び方、上手な使い方

漢方薬って何?

漢方薬とは、生薬を2種類以上組み合わせたものをいいます。生薬というのは漢方薬の原料となる植物の葉根木皮、鉱物、動物のことです。ただし、民間薬として単品で用いられるドクダミやゲンノショウコ、薬効が強い動物性のものは含まれません。

本来の漢方薬は生薬を乾燥させた粉などを煎じて飲みますが、現在は漢方原料から抽出したエキス剤が開発され、顆粒状などに加工され、1回分ずつ分包されています。健康保険が使えることもあります。

西洋薬では、べんぴに対しては下剤、下痢に対しては下痢止めと決まっていますが、漢方では、べんぴも下痢も腸の働きが乱れたためにおこっていると考え、本来の働きに戻すために薬を使います。長い漢方医学の臨床経験にもとづき、患者さんの症状や病気の現われ方を見て、体力や抵抗力といった体質、心の状態などを総合的に診断し、おもに「実証」と「虚証」にわけて薬が処方されるのです。

漢方薬はじっくり効く薬というイメージがありますが、カゼなどの急性病なら2〜3日で効きますし、慢性病でも2〜3週間でなんらかの効果があるのがふつうです。これで効かないようなら処方が合っていない可能性があります。頭痛や吐き気、胃腸障害、下痢、発疹など何か異常を感じたときは、漢方薬を飲むのをやめて主治医や薬剤師さんに相談してください。

虚証のべんぴ

虚証のべんぴ

● がっしりした体格で体力がある

● 肩こりやのぼせがある

● 下剤がよく効く

● 水分がなく、カチカチにかたまったベンが出る

実証のべんぴ

実証のべんぴ

● きゃしゃな体格で体力がない

● 冷え性で胃腸が弱い

● 下剤を飲むと腹痛や下痢になる

● ウサギのフンのようなコロコロしたベンが出る

漢方薬には副作用がない?

よく漢方薬には副作用がないから安心だといわれます。たしかに「証」に合っていれば副作用の心配は少ないといえます。

けれども、「証」というものは不変ではありません。年齢によって体力がついてきたりおとろえたり、とくに女性の場合はホルモンのバランスが影響して体質が変わってきます。「証」に合わない薬はかえって逆効果です。

一方、漢方薬を服用して一時的に悪化したり不快な症状があらわれ、その後急速に病気が治っていくことがあります。これは「瞑眩(めいげん)」といって、漢方薬が効いている証拠のひとつとされていますが、副作用との区別がむずかしいものです。強い作用をもつマオウやダイオウ、ブシなどの生薬が含まれた処方はとくに注意が必要です。

べんぴに処方されるおもな漢方薬
漢方薬名 生薬の配合と処方のめやす


大柴胡湯
(だいさいことう)
柴胡、半夏、大黄など8種類の生薬配合。
体格・体力ともに充実し、べんぴ、肩こり、頭痛などの症状がある人に。
防風通聖散
(ぼうふうつうしょうさん)
滑石、黄?、甘草、大黄など18種類の生薬配合。
おなかに皮下脂肪が多く、べんぴがちな人に。
肥満症やむくみも解消される。
三黄瀉心湯
(さんおうしゃしんとう)
大黄、黄?、黄連の3種類の生薬配合。
比較的体力があり、赤ら顔、のぼせぎみの人に。
イライラして眠れなかったり、けいれん性べんぴの傾向があるときにも有効。
桃核承気湯
(とうかくじょうきとう)
桃仁、桂皮、大黄、甘草、芒硝の5種類の生薬配合。
筋肉質でべんぴぎみ、足腰は冷えるのにのぼせる、生理痛のある人に。
大黄甘草湯
(だいおうかんぞうとう)
滑石、黄?、甘草、大黄など18種類の生薬配合。
おなかに皮下脂肪が多く、べんぴがちな人に。
肥満症やむくみも解消される。
中 間 証
腸胃承気湯
(ちょういじょうきとう)
大黄、甘草、芒硝を配合。
体力が中程度の人のべんぴに。
おなかが張り、腰痛をともなうようなときに用いられる。
乙字湯
(おつじとう)
大黄、甘草、芒硝を配合。
体力が中程度の人のべんぴに。
おなかが張り、腰痛をともなうようなときに用いられる。
麻子仁丸
(ましにんがん)
大黄、甘草、芒硝を配合。
体力が中程度の人のべんぴに。
おなかが張り、腰痛をともなうようなときに用いられる。
虚  証
潤腸湯
(じゅんちょうとう)
地黄、当帰、大黄など10種類の生薬配合。
体力がなく肌がかさかさで、コロコロしたベンが出る人に。
うるおいを与え、排便をうながす。
桂枝加芍薬大黄湯
(けいしかしゃくやくだいおうとう)
芍薬、桂皮、大棗など6種類の生薬配合。
比較的体力がなく、冷えておなかが張る、腹痛、下痢・べんぴ交代型の人に。
べんぴが軽ければ大黄を含まない桂枝加芍薬湯を。
小建中湯
(しょうけんちゅうとう)
芍薬、桂枝、大棗、甘草、生姜を配合。 手足やおなかが冷えて食も細く、腹痛をおこしやすい人に。
体力をつけて体質改善をはかる。
べんぴと下痢をくりかえすときも効果がある。
加味逍遥散
(かみしょうようさん)
当帰、芍薬、茯苓、柴胡など10種類の生薬配合。
神経症的傾向の強い過敏性大腸症候群に効果がある。
自立神経を調整する作用があり、冷え性や生理不順も解消される。
八味丸
(はちみがん)
地黄、茯苓、附子など8種類の生薬配合。
お年寄りのべんぴに用いられる。
腰から下に力がない、手足の冷えやしびれ、夜間の頻尿などの症状も改善される。
「八味地黄丸」ともいう。

=過敏性腸症候群に有効な漢方薬

漢方薬に使われるおもな生薬
生薬名 薬    効
黄?(おうごん) シソ科のコガネバナの根。緩下剤、抗炎症作用。おう吐や下痢にも。
黄連(おうれん) キンポウゲ科のオウレンの根。苦味健胃、腸内殺菌、抗炎症作用など。
滑石(かっせき) 粘土鉱物。口の渇きや尿が出にくいときによい。
甘草(かんぞう) マメ科のカンゾウの根。各生薬の作用を調和させる。
枳実(きじつ) ミカン科ダイダイなどの未熟な実。芳香性健胃効果。腹部膨満にも。
杏仁(きょうにん) バラ科のアンズ種子。胸にたまった水分やタンをのぞく。
桂枝(けいし) クスノキ科のニッケイの樹皮。健胃、解熱作用など。
厚朴(こうぼく) モクレン科のホオノキの樹皮。整腸、鎮静作用など。
柴胡(さいこ) セリ科のミシマサイコの根。抗炎症、抗ストレス作用など。
地黄(じおう) ゴマノハグサ科のアカヤジオウの根。緩下剤。補血、強壮効果も。
芍薬(しゃくやく) ボタン科のシャクヤクの根。痛みやけいれんをしずめる。
生姜(しょうきょう) ショウガ科のショウガの根。芳香性健胃効果。
升麻(しょうま) キンポウゲ科のサラショウマの根茎。解熱、抗炎症作用など。
大黄(だいおう) タデ科のダイオウの根。緩下剤。べんぴに広く用いられる。
大棗(たいそう) クロウメモドキ科のナツメの実。強壮効果、抗ストレス作用など。
当帰(とうき) セリ科のトウキの根。婦人病の要薬。補血、ホルモンをととのえる。
桃仁(とうにん) バラ科のモモの種子。抗アレルギー、更年期障害に対する作用。
半夏(はんげ) サトイモ科のカラスビシャクの塊茎。腸管内輸送促進、免疫賦活作用など。
茯苓(ぶくりょう) サルノコシカケ科のマツホドの菌核部分。利尿、免疫賦活作用など。
附子(ぶし) キンポウゲ科のハナトリカブトの根。有毒。鎮痛、強心作用など。
芒硝(ぼうしょう) 天然の含水硫化ナトリウム。緩下剤、血液凝固抑制作用。
防風(ぼうふう) セリ科のボウフウの根。鎮痛、抗炎症作用。
麻子仁(ましにん) クワ科のアサの実。血糖効果作用。緩下剤。鎮痛効果も。

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