痔の三大疾患
裂肛
痛みの特徴
- 肛門の出口に近い部分が硬い大便の通過によって切れて出血します。この部分は、過敏な神経がきているために、小さな傷でも非常に痛く感じます。この痛みは、排便後、数分のときもあれば、数時間続くこともあります。
- 浅い傷であれば、皮がはると痛みがなくなり治癒しますが、不潔な状態にしていたり、硬い便がでる状態ですと、なかなか治らず、ついには、傷が深くなって両縁は堤防状になり潰瘍という形になります。
- 慢性化した潰瘍状の裂創ができると創は繊維化して縮み、肛門が狭くなってきます。このため、大便がでにくくなり、狭い出口をいきなりでると、また切れてしまうという悪循環を繰り返します。
種類と治療
裂肛は、便秘が原因であることが多く、治療においては便秘の改善が重要になります。軽症では自然治癒することもありますが、症状がひどい場合には手術を検討します。
単純性裂肛
肛門上皮だけが浅く裂けたもの

慢性潰瘍性裂肛(肛門潰瘍)
単純性裂肛を放置し、傷が肛門括約筋にまでおよび、えぐれたもの
肛門狭窄
慢性の裂肛によって、傷が瘢痕化し肛門がせまくなったもの
みはりいぼ(スキンタグ・皮膚痔)
炎症によって広がった腫れが、炎症が治まったあとも皮膚のたるみとして残ったもの。症状がなければ、特に治療の必要はありません。
肛門ポリープ(肥大乳頭)
歯状線にある肛門乳頭というふくらみが、炎症によって大きくイボ状になったもの。症状がなければ、特に治療の必要はありません。
- 比較的傷が新しく浅いときは、まず、便をやわらかくすることがもっとも大切です。
- 入浴・座浴を行い、傷をきれいにし、軟膏を塗っておくと大部分は治ります。
- しかし、便が硬いと一時よくなっても、また同じ部位が切れるので、かたい便をださない注意は常に必要です。
- 排便時、出血し痛みがあり、その後数時間も痛みが続く場合は、肛門が狭くなり傷も深く潰瘍になっています。こういう場合は狭くなった肛門を元の大きさに戻さなければ傷は治りません。
- 一般的には、麻酔をして、肛門を指で広げることによって肛門は元の大きさに広がり、術後1週間程度で治癒します。

用手肛門拡張術
- 狭くなった肛門を手で広げる。
- 根本治療ではないので、再発もあります。
内括約筋側方切開術(LSIS法)
- 縮んだ括約筋に側方から切れ目を入れて広げる手術
皮膚移植術(SSG法)
- 裂肛を切除し、その部分に正常な肛門皮膚をスライドさせて、裂肛の傷跡をおおう手術。