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気になる病気 便秘・痔疾患編

治療より日常生活大事 (1996.6.16)

 「次の方、どうぞ」。看護婦に促され診察室に入って来たのは女子大に入学したばかりのAさん(19)でした。

 私のクリニックには大勢の若い女性が訪れますが、長年の経験、というわけではないのですが、ほとんど病名は分かります。

 「排便の途中、肛門(こうもん)がビリビリと痛みだして・・・」と、恥ずかしそうに切り出したAさんの症状もやはり「切れ痔(じ)(裂肛)」でした。

 今春、女子大生になったばかりの彼女は旭川の出身。女子大に入学してからは東京であこがれの一人暮らしをするようになりました。「生まれて初めての自炊は、とても楽しかっ た」そうですが、次第に面倒くさくなり、ついついコンビニで買ったカップラーメンやレトルト食品など、簡単なもので食事を済ませるようになったそうです。

 そのうえ、慣れない都会の一人暮らし。生活も不規則になり、たちまち便秘に。排便時に痛みを感じるようになって間もなく出血するようになりました。次第に痛みと出血が激しくなり、ときには便器が鮮血で真っ赤に染まることもあったそうです。

 痔は男性の病気と決めつけていた彼女。「若くて、10代の女性が痔になるわけがないと信じていた彼女は、眠れないほど不安な夜が続いたそうです。相談する人もなく、とうとう五月病にかかってしまい帰郷。母親に連れ添われ、私どものクリニックを訪れたのでした。

 若い女性に多い切れ痔は、便秘のため便が硬くなり、肛門が切れる病気と言い換えてもいいかもしれません。症状が進むとポリープができ、肛門が狭くなりかなり痛みを伴います。

 また「トイレに行くのが怖い」といって、便意を我慢していると、便はますます硬くなります。大腸にため込まれている間、さらに水分が吸収され、傷口の悪化−便秘−症状悪化という悪循環に陥るからです。こうなると排便のたびに痛んで、中には半日ぐらい痛み の続く人もいます。

 最近は麻酔をかけたり、横向きに寝て下着を下ろして診察するなど“痛くなく、恥ずかしくない”方法が普及しています。若い女性にとっては、下着を脱がず、医師の顔を直接見なくてもいいのですから、気が楽です。

 切れ痔の症状改善は、治療より曰常生活の方が大事です。食物繊維の多い食事を取るなど日常生活に気を付け、便通を上手にコントロールすることをお勧めします。

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