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肛門漫遊記

クローン病の痔ろうは面倒 栄養療法と薬物療法が中心 (1997.12.8)

 痔ろうの原因が、クローン病の場合もあります。クローン病とは、大腸などの消化管に潰瘍(かいよう)ができる、原因不明の慢性の炎症性の疾患です。症状は、下痢や腹痛のほか、発熱を伴う場合もあります。

 こうしたクローン病の病変は、肛門部にまで現れることもあります。肛門周囲がただれて、ゴツゴツとした塊ができ、直腸部分と膿(のう)のトンネルを形成する痔ろうが発生し、その開口部分の色が通常の痔ろうとはからり異なっています。クローン病が原因で痔ろうになっているわけですから、通常の痔ろうの手術ではなかなか治りません。

 「5ヶ月前に他の医院で痔ろうの手術を受けたのですが、いっこうに傷口が治らない」と当院を訪れた高校生のE君(16歳)も、そんなひとりでした。E君の話によると、手術を受ける3ヶ月くらい前から腹痛や下痢の症状があったそうで、診察すると、通常の痔ろうの傷口とは異なっていました。大腸検査の結果、クローン病だということが分かったのです。

 E君のケースのように、最近は、肛門科で早期にクローン病が発見される例が増えています。

 クローン病の治療は、栄養療法と薬物療法が中心です。治りにくい病気だけに長い治療期間が必要で、しかも再発しやすいやっかいな病気です。

 クローン病の患者様は、とりわけ10代後半から20代にかけての比較的若い世代に多くみられます。ですから、こうした年代の人で、「痔ろうがなかなか治らない」とか「手術しても、すぐ別の新しい痔ろうが発生してしまう」などというケースなら、クローン病を疑ってみる必要もあるでしょう。

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